トピックス Part2

私のカナダ紀行(バンクーバー)

 ポスターセッションに戻り、私たちは世界中のいろんな人たちと交流しながら5時半過ぎに後片付けをしまし
た。
 次の日(26日)のTalent show(タレントショー)の会場の確認に行き、その時に初めてタレントショー担
当のSue Porco(スー・ポルコ)さんとお会いしました。
 この夜は私がもらった世界会議賞の授賞式があったようですが、何も知らない私たちはホテル内のラウンジ
で海を見ながら食事をしていました。
         
        

8月23日(水)

 ポスターセッション。
 出発の2日前、ポスターセッションの大きなブースが私たちのために用意されているとのメールが入ってきま
した。どうしようと迷いながら、一応本や資料をキャリーに詰めて持って行きました。「すこやかノート」の吉岡先生
たちがポスターセッションをされるということだったので、私たちも頑張ろうとバンクーバーの街に文房具屋さん
を探しに行き、やっと探して父が作ったのが写真です。

 一週間のカナダ旅行が無事に終わることを祈り、いよいよモザイクの国・カナダへ。
 カナダ旅行は私たち家族にとって初めての体験でした。
 赤ちゃん体操の藤田先生一行と関西空港で合流できて喜んでいたのですが、飛行機が七時間も遅れて
出発したのでした。

 グレースさんはバンクーバーに移住して12年目の今年、Cinderella-Grace-Vancouver
Princess❞ーという童話を英語で出版されました。ご自分の仕事部屋だと言ってお部屋を見せて下さ
いました。
 ご両親はグレースさんがだんだん中国語を忘れていくと少し寂しそうでした。
 お母様は日本に留学されたことがあり、日本語も話されましたが、少し難しくなると漢字を書いて筆談で
いろいろなことを母に説明して下さいました。
 お父様とお兄様はグレースさんが世界で一番おいしいと自慢する最高のウーロン茶をご馳走して下さ
いました。
 広いお庭に面した日当たりのよいお部屋で午後のひとときを楽しく語らうことができました。

 コピソン先生の通訳で父との会話が弾みました。
 ひと休みをしてから、ナンさんのご主人が愛犬のLadyと私たち家族を散歩に誘って下
さいました。広い公園を抜けると、ものすごく大きな木々があり、まるで森のようでした。
 ナンさんの書斎も見せて下さり、画集や新しい絵本も頂きました。
 帰りはナンさんご夫妻がホテルまで送って下さり、名残り惜しくお別れしてバンクーバ
ーの夜はふけていきました。

 

 私たちは常にブースの前にいることはできませんでしたが、私のシンガポールでのス
ピーチを食い入るように見つめている世界各国の人たちが何人もいたそうです。
 25日は4時半から5時半までいましたが、ドイツやイギリスの方達や日本の方が熱
心に見ておられて一緒に写真を写していかれました。シンガポールで出会った方達も何
人か見え、Jessica Chen(ジェシカ・チェン)さんともお会いしました。
 もう終わろうとしているところにニガラグアからの方が見えて、名残惜しそうに何か英語
の本はないかと言われるのですが、片づけようと取り外した私のシンガポールでのスピー
チ原稿をあげました。とても喜んで、何度も振り返っていかれました。私たちはポスターセ
ッションをやってよかったと話し合いました。

 なんと、私はここで30分間のスピーチをすることになっていたのです。
 中庭のようなところで体中をリラックスさせる運動の指導を受けたあと、施設内を見学しまし
た。
 施設内のあまり大きくない部屋にぎっしり座って、みんなは私のスピーチを熱心に静かに聞
いてくれました。私の赤いブラウスと同じ真っ赤な着物を着た童女の日本人形を記念に差し
上げました。とても喜ばれました。
 スピーチのあとにはもう一つのこの施設に住んでいる人たちの部屋を見学しました。とてもきれ
いな、立派な部屋でサポーター付ということでした。私もこんな部屋に住んでみたいと思いま
した。(^^)

 バンクーバーのホテルに着くなり、ルームクリーニングで40分もロビーで長く待たされました。
 やっとのことで部屋に入ることができ、入ってみるととてもきれいなお花がぽつんと届いていました。
どなたからだろうとどきどきしながらメッセージカードを開けてみると、“ようこそ!バンクーバーへ”と
いうコピソン珠子先生(元カナダ大使夫人)からのものでした。
 ご主人が(UBCの先生だそうです)ご自宅の庭で育てられたものだと書いてありました。やっとバ
ンクーバーに来たんだなという実感がわいてきました。

 その夜はようやく待望のシーフードレストランに行き、海を見ながらバンクーバー最後の夕食を取りま
した。おいしかった(^^) 
   
       

グレースさんと家庭教師のJudyさん

藤田先生ご一行とキャスケーディ
アの方々と

 昼食はシーバス(SeaBus)乗り場近くのレストラン。
 そこで食べたから揚げ丼は久しぶりのご飯(初めてのインディカ米でしたが・・・)をとてもおいしく頂きました。母と
藤田先生はシーフードの焼きうどんを食べ、母は久しぶりに日本のうどんをおいしく食べたと言っていました。

 

 グレースさんは、12歳の時に台湾からバンクーバーに移住されたそうで
す。
 それまでは中国語で生活していましたが、その時から家庭教師がつき始
めて英語を勉強され、学校では高校までマンツーマンでサポーターがつ
いたということでした。
 現在もライターのJudy McFarlane(ジュディー・マクファーレン)さん
が家庭教師としてついておられて、英語を習得されています。

8月25日(金)

8月27日(日)

8月26日(土)

 飛行機は23日の午後3時過ぎ(日本時間)にバンクーバーに着きました。
 午前中にするはずだった市内観光は結局、夕方遅くになってしまいました。それでもスタンレーパークは観光
客でいっぱいで、トーテムポールの前ではそれぞれ記念撮影をしていました。
 広い公園内を馬車が走っていました。トーテムポールの横を通り抜けると、海が広がっていて、その向こうにカ
ナディアン・ロッキーにつながるバンクーバーの山々が見えました。
 広い公園内のあちらこちらを見て回りたかったのですが、長~~い旅の疲れで体が動きませんでした。写真は
すっかり疲れ気味の家族三人です。

 グレースさんとの別れを惜しみながら、ご両親がバンクーバーの景色が一望できる高級住宅街を案
内して下さいました。ますの養殖場のある広い湖を案内して下さる予定でしたが、私たちの時間がなく、ホ
テルに送って頂きました。

キャスケーディアでのスピーチ

 Talent show(タレントショー)が終わったあと、私がこの会の世界会議賞を受賞した経緯を母から
聞きました。「あなたがこれまでダウン症について理解を求めて頑張ってきたことと、絵本の翻訳や第8回世
界会議でのスピーチなどが評価されてもらった賞なのよ」と母が言いました。
 楯には
「Exceptional Person With Down Syndrome Award」:Recognizing the
outstanding example, leadership and contribution that you have made to
inspire others
「優れた才能を持つダウン症者本人の賞」(あなたの他の人々に対するリーダー
シップと優れた功績を称えます)と刻み込まれています。

タレントショーで

 ご一緒した大阪教育大学の先生方はこれらの見学についてとても勉強になったと言ってお
られました。
 赤ちゃん体操の先生方や施設側のスタッフの方々との施設の前での記念撮影(写真
右)を終え、Grouse Mountain(グロースマウンテン)の停留所に送って頂きました。
 急な山の斜面を一気に上下するケーブルカーでグロースマウンテンに上り、下りると大
きな公園になっていました。ケーブルカーの窓からも展望台からもバンクーバーの街が一望
に見渡せました。

ナンさん、コピソン先生、私たち家族

 グレースさんは現在、Vancouver Town College(バンクーバー市立短期大学)に在学中
です。
 この短期大学では1クラス10人くらいであらゆる障害を持つ人たちが一緒に入っていて、サポーター
はまったくついていなくてそれぞれの学生が自分にあった技能を身につけるために勉強するのだといいます。

 

 幼いころからあまり騒々しいテレビなど見せず、できるだけ静かな音楽を聞かせて育てたとお母様がおっし
ゃっていました。

 その日の夕方5時、コピソン先生のお車でナン・グレゴリーさんのお宅に向かいました。
 今回のバンクーバー行きの目的は私が翻訳・出版したカナダの絵本HOW SMUDGE CAME「スマッジ
がいるから」の原作者のナン・グレゴリーさんにお会いするためで、私の長年の夢でした。
 NPO法人JACFA(日本カナダ友好協会)福岡支部の代表浅海道子先生や元カナダ大使夫人のコ
ピソン珠子先生のお骨折りで、バカンスから帰ってこられたナンさんとお会いすることになったのでした。


 
 いよいよTalent Show(タレントショー)。
 8時30分、会場のコンベンションホールへ。
 二階の昼食の受付場所でLove Junx(ラブジャンクス)の方々とお会いし、一緒に受付の作業をしな
がら会場に向かいました。
 Talent show(タレントショー)の会場はポスターセッションのあった同じ所でしたが、そこには世界各
国のダウン症の若者達が自己表現をする場でした。激しいロック調の音楽に合わせてギターを持ってダン
スをする人達や美しい音色でバイオリンを弾く人、アコースティックギターに合わせてきれいな声で歌う人
などがいました。

 

 私は自身が英訳・出版したMAGIC CANDY DROP(魔法のドロップ)を朗読しました。広くてにぎやか
な雰囲気の会場だったので少し不安でしたが、会場の皆さんがとても静かに熱心に聞いてくれました。
 世界大会のボランティアの山下さんが私の絵本の読み聞かせに使うテーブルなどをいろいろ探しながら
準備して下さってとても助かりました。
 朗読が終わった時、予期せぬ事態が起こったのです。通訳して下さった寺山さんと母が何やら楯のよう
なものを持ってきました。それを見たディレクターの方と司会の方が“Oh!”と驚きの叫びをあげて、会場の面
前に紹介しながら楯を私に渡してくれたのです。会場の人々が総立ち(スタンディング・オベーション)にな
って拍手しているなかで何をもらったのかわからないまま、呆然としていました。ラブジャンクスのフィナーレで会場
が沸いているなかでも、ぼーとしていました。 
 我が家の専属カメラマンの父はこの時、ビデオカメラを回していて私が楯をもらうところを写真に撮るのを忘
れていたのでした。

 公園のあちらこちらを歩き回りたかったのですが、時間の関係で世界会議の会場に引き返さなければなりませ
んでした。

8月24日(木)~25日(金)

トップページに戻る

 午前11時35分、飛行機はバンクーバー空港を飛び立ち、一路関西空港へ。
 私たちはたくさんの出会いと素敵な思い出を作ってくれたバンクーバーの街に別れを告げたのでした!

グロース・マウンテンから見たバンクーバーの街

バンクーバー空港で藤田先生と

 朝8時に旅行会社の車でホテルを出て、バンクーバー空港に向かいました。空港に着くとすでに
藤田先生ご一行がついておられました。私の受賞を報告すると、とても喜んで下さってその場で早速、記
念撮影が始まりました。

8月28日(月)

世界会議事務局のSue Porcoさんと

トーテムポールの前で

 ナンさんのお宅は森のような、大きな木のある静かな住宅街にありました。
 初めてナンさんとお会いした時、優しい心を持つお方だとすぐに感じました。
最初私は緊張していましたが、ナンさん自身もご自分の緊張する気持ちと重
ね合わせながら私を受けとめて下さいました。
 ご自宅のテラスでナンさんからの要望で、MAGIC CANDY DROP(魔法
のドロップ)を読んだところ、感情がこもっていてすばらしいと言われました。

 午後2時、Grace Chen(グレース・チェン)さんご一家のお宅に伺いました。日本を発つ前にJDS
(日本ダウン症協会)を通じて会いたいというメールがチェンさんから入っていて、お母様とお兄様がホ
テルに迎えに来て下さいました。
 チェンさんのお宅は高台の閑静な住宅街にありました。

 コピソン先生がホテルに迎えに来て下さり、バンクーバー・コロンビア大学(UBC)内の博物館に連
れて行って下さいました。コピソン先生が館内を案内しながら説明して下さり、とても勉強になりました。詳細
は私のHP
「美術館巡り」Part.2で紹介します。
 

 会場でこの会議のボランティアで尽力された山下さんご一家ともお会いしました。そしてシンガポールでお
会いしたラブジャンクスの方たちとも再会しました。
 昼食が終わって会場を出ると、目の前には氷河を見に行くという豪華客船があり、とても気持ちのいい
午後でした。日本から来たラブジャンクスの方たちとゆっくりと話をしながらホテルに帰りました。
 夜のディナー&ダンスパーティーはいろんな国の方々とお会いしましたが、次の日の準備に備えてディ
ナーだけで帰りました。

 現地の療育施設・Cascadia(キャスケイディア)へ。
 早稲田大学の長谷川先生ご一家のお世話で訪問することになりました。
 奥様の静江様のご友人アルバート・勝子様がホテルに迎えに来て下さり、シーバス(SeaBus:日本の
水上バス)乗り場に向かいました。ちょうど藤田先生ご一行も一緒に行かれることになり、総勢14名で乗船
しました。
 スタンレーパークなど、周りの景色を見ながら湖のような海の上をゆっくりと静かに走るシーバスは気持ち
のいいものでした。
 降りるとデイビッド・長谷川くんが迎えに来ていて、Cascadia(キャスケーディア)に案内して下さいました。 

 ナンさん手作りのディナーをごちそうになりました。私はサーモンが大好きなので、何度もお代わりを
しました。母も同じでした。とてもおいしく頂きました。
 父がとうもろこしのお代わりをしたら、ナンさんは手をたたいてとても喜ばれました。カナダはとうもろこしと
サーモンが旬だということでした。
 父はワインがとてもおいしかったと言います。
 食後にはナンさん手作りの甘~~いパイを頂きました。とてもおいしかったです。

ナンさんご夫妻

ナンさんと

グレースさんとご両親、Judyさん